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コラム

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歯科医院のM&Aにおける融資と資金調達の方法

歯科医院のM&Aにおける融資と資金調達は、成功するための重要な要素です。特に歯科医院のM&Aでは、診療機器や設備のコストが高額であるため、買収資金の確保が経営の安定に大きな影響を与えます。適切な資金調達方法を選択することで、M&A後の経営負担を抑え、クリニック運営の成功を支えることが可能です。ここでは、歯科医院のM&Aにおける融資と資金調達の方法について医科歯科M&A・事業継承に特価している東海事業継承サポートセンターが詳しく解説します。

  1. 銀行融資

1.1 通常の事業融資

銀行融資は、歯科医院のM&Aにおいて最も一般的な資金調達方法のひとつです。事業用融資として銀行から資金を調達することで、買収資金の一部または全額を賄うことが可能です。特に、既存の医院が健全な収益基盤を持っている場合や、M&A後の収益予測が安定している場合には、銀行融資が比較的有利な条件で受けられる可能性があります。

ポイント

  • 融資を受けるためには、詳細な事業計画書や財務予測を準備し、銀行に対して収益の見込みやリスクを説明する必要があります。
  • M&A後の返済計画をしっかりと立て、無理のない返済条件で融資を確保することが重要です。
  • 金利や返済条件の交渉を行い、歯科医院の収益状況に合った条件での借り入れを目指します。

1.2 設備資金ローン

歯科医院は医療機器や設備に大きな投資が必要であり、その費用を確保するために設備資金ローンを利用することが一般的です。このローンは、診療台やデジタルレントゲン、治療機器などの高額な設備を購入するために特化した融資であり、資金調達の一環として活用できます。

ポイント

  • 医療機器の購入費用に充てるためのローンであるため、通常の事業融資よりも長期で低金利であることが多いです。
  • 購入する機器の明細や見積書を準備し、設備資金ローンがどのように事業に貢献するかを説明することで、スムーズな融資手続きが進みます。
  1. 政府系金融機関の融資

2.1 日本政策金融公庫(JFC)

日本政策金融公庫(JFC)は、中小企業や医療機関に対する融資を行っている政府系金融機関であり、歯科医院のM&A資金調達に利用できる場合があります。政策金融公庫の融資は、通常の銀行融資に比べて金利が低く、返済期間も長く設定されているため、資金調達コストを抑えることが可能です。

ポイント

  • JFCは、事業計画書やM&A後の収益予測、M&Aの目的や戦略を明確に説明することで融資を受けられる可能性が高くなります。
  • 歯科医療を担う地域密着型の医療機関として、地域医療の継続や強化を目的とする場合は、融資の優遇措置を受けられる可能性もあります。

2.2 地方自治体の支援制度

一部の地方自治体では、地域の医療を支援するために、医療機関向けの融資や助成金を提供している場合があります。特に、地域医療に貢献する歯科医院のM&Aに対しては、地方自治体の制度を活用できる可能性があるため、地域の金融機関や自治体に相談することが有益です。

ポイント

  • 地域の医療充実に貢献する計画を立て、地方自治体の医療支援策に関する情報を収集します。
  • 地方自治体の支援制度は予算に応じて変動するため、早めに問い合わせを行い、利用可能な制度を確認することが重要です。
  1. リースによる資金調達

3.1 医療機器リース

歯科医院では、高額な医療機器の初期投資を抑えるために、リース契約を活用することも一つの選択肢です。リースを利用することで、初期の大きな資金負担を軽減し、一定の月額料金で最新の医療機器を導入できます。

ポイント

  • リース契約の期間や費用、解約条件を確認し、医院の経営計画に適したリース契約を選びます。
  • リースを通じて資金の流動性を高め、資金繰りに余裕を持たせることで、M&A後の経営安定に寄与します。

3.2 オペレーティングリースとファイナンスリースの選択

リースには、使用料のみ支払うオペレーティングリースと、所有権を移すファイナンスリースの2種類があります。どちらが医院にとってメリットがあるか、購入予定の機器や財務状況に応じて適切なリースを選択することが重要です。

ポイント

  • 短期間で更新が必要な医療機器はオペレーティングリースを選ぶことで、柔軟な更新が可能になります。
  • ファイナンスリースは長期間使用する高額な機器に向いており、最終的には医院の資産として計上されるため、設備投資計画に基づいて選択します。
  1. エクイティファイナンス(自己資金や外部投資家の活用)

4.1 自己資金の活用

自己資金を用いることで、融資による利息負担を抑えることができ、M&A後の資金繰りが安定します。特に、他の資金調達方法と組み合わせることで、融資額を抑え、経営リスクを最小限にすることが可能です。

ポイント

  • 自己資金を計画的に準備し、自己資金と融資のバランスをとって資金調達を行います。
  • 自己資金の割合を増やすことで、銀行融資の金利や条件の交渉が有利になることもあります。

4.2 エクイティファイナンス(外部投資家からの資金調達)

歯科医院のM&Aに際して、投資家やパートナーからの資金調達を検討することも可能です。エクイティファイナンスを活用することで、自己資金や借り入れに頼らずに資金を調達できますが、出資者が経営に関与する可能性もあるため、慎重に検討する必要があります。

ポイント

  • 経営の独立性を維持しながら資金調達を行うため、投資家との役割分担や経営方針の共有を確認します。
  • 出資者との関係性や条件を十分に交渉し、経営への影響を最小限に抑える形での資金調達を目指します。
  1. 補助金・助成金の活用

5.1 医療機関向けの補助金・助成金

歯科医院が地域医療の充実や患者の健康促進に貢献する場合、国や地方自治体からの補助金・助成金を利用できる可能性があります。例えば、IT化支援や地域医療強化のための助成金などがあり、M&A資金の一部を補うことが可能です。

ポイント

  • 補助金や助成金の対象となる条件を調べ、歯科医院が満たすことができる要件を確認します。
  • 助成金の申請には申請書類や経営計画の提出が必要なため、必要書類を揃え、早めの申請を心がけます。

5.2 M&Aに関する特別な税制優遇措置の活用

M&Aを促進するために、税制上の優遇措置が設けられている場合があります。例えば、中小企業の事業承継に対する特別措置や設備投資減税など、節税効果のある制度を活用することで、実質的な資金調達に役立ちます。

ポイント

  • 税理士やコンサルタントと相談し、歯科医院のM&Aで適用可能な税制優遇措置を把握します。
  • 申請の期限や適用要件を確認し、税制措置を最大限に活用することで、資金調達コストを軽減します。

医科歯科M&A・事業継承に特価している東海事業継承サポートセンターのまとめ

歯科医院のM&Aにおいては、銀行融資や政府系金融機関の融資、リース、エクイティファイナンス、補助金など、さまざまな資金調達方法を検討することが成功の鍵です。適切な資金調達手段を選択し、M&A後の経営を安定させるために、事前に十分な計画を立てることが重要です。また、各調達手段のメリット・デメリットを比較し、自院の経営方針や財務状況に適した方法を選ぶことで、M&Aの成果を最大化することが可能です。

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