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コラム

COLUMN

クリニックのM&Aにおける患者継承とクレーム対応

Ⅰ. はじめに

歯科医院のM&Aにおいて、カルテや診療契約といった「患者情報」の引継ぎと、「クレーム・苦情対応」は、非常にデリケートかつリスクの高い領域です。経営の引継ぎがスムーズでも、患者トラブルで信頼を失えば医院の価値が一気に低下します。本稿では、患者継承とクレーム対応における戦略と注意点を解説します。

Ⅱ. 患者継承の重要性と考え方

■ 「診療契約」は継続されるのか?

  • 原則として、事業譲渡では法人が変わるため、契約も新たになります。
  • ただし患者側から見れば「医院は同じ」と認識されるため、継続診療が前提となる対応が求められる

■ 引継ぎ時の基本姿勢

  • カルテ・レントゲン・診療履歴の完全な引継ぎ
  • 医療方針・処置内容の共有
  • 診療予約やメンテナンス間隔の継続維持

Ⅲ. クレームが発生しやすい場面と対応法

■ よくあるクレーム例:

  • 「前の先生と方針が違う」
  • 「新しい先生が説明不足」
  • 「以前の治療の保証はどうなる?」
  • 「スタッフの対応が変わった」

■ クレームを未然に防ぐには:

  1. 引継ぎのタイミングでの丁寧な告知・案内
  2. 診療姿勢や対応のブレを防ぐ研修
  3. 「保証制度」や「治療ミス補償」などの明確化

Ⅳ. 実務でのポイント

  • 旧院長からの紹介文書を活用(ウェブ・ポスター・患者への個別案内)
  • 治療方針の変更時は説明書+同意書を新たに取得
  • 保証期間中の処置は、承継前医院の責任範囲か新院長が引き継ぐか事前協議

Ⅴ. ケーススタディ

■ ケースA:旧院長からの「ご挨拶文」で信頼確保

→ 前院長が患者に向けて「新院長は信頼できる先生です」と書面発行。紹介効果により、患者の離脱なし。

■ ケースB:インプラント保証のトラブル

→ 引継ぎ契約で保証条件の確認不足が原因で、患者とトラブルに。修理費用を双方で折半対応することに。

Ⅵ. まとめ

  • 患者継承は「カルテの移行」だけでなく、「信頼の移行」でもある
  • クレーム対応は事前準備と透明性がカギ
  • 院長交代時は「説明・共感・フォロー」の3点が信頼維持の柱

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