はじめに
クリニックM&Aの最大のリスクは、
「患者が離れる」こと。
どれほど美しいスキームでも、患者が来なければ事業は成り立ちません。
そのため、
- 営業権評価
- 価格調整条項
- 引継ぎ期間の設計
が極めて重要です。
1.患者離脱が起きる理由
- 医師(院長)が交代する
信頼関係が強いほど離脱しやすい。
- スタッフの大量退職
受付・衛生士などの対応品質が急に落ちる。
- 買手の経営方針が合わない
自費を増やしすぎる、待ち時間が長くなるなど。
- 周辺に強い競合がある
都市部ほど影響が大きい。
2.営業権(のれん)の算定と離脱率
営業権は一般に、
将来利益 × 何年分
で評価される。
そのため、
離脱率が高いほど営業権は下がる。
例:
通常 3年分 → 離脱懸念 2年分に減額
などの調整。
3.価格調整条項(アーンアウト)を使う
■ アーンアウトとは?
「一定の業績が達成できたら追加で支払う」契約。
患者離脱リスクが高い時に使う典型的手法です。
■ 医療M&Aで使う指標
- 初診数
- 再診数
- 診療報酬点数総額
- 自費売上
- 平均単価
例:
「引継ぎ後1年間の売上が前年度比90%以上なら営業権の残り30%を支払う」
4.引継ぎ期間(院長残留)を入れる
売手院長が一定期間残ることで“患者離脱を防ぐ”ことができる。
一般的な残留期間:
- 3ヶ月
- 6ヶ月
- 1年
役割:
- 挨拶
- 初診対応
- 手術・専門診療
- スタッフ教育
5.典型トラブル
- 売手が早期離脱しすぎる
→ 患者大量離脱
- 買手がすぐに経営改善(値上げ)しすぎる
→ 苦情・離脱
- アーンアウトの指標が曖昧
→ 支払いで揉める
まとめ
第三者承継は、
患者離脱=経営リスク
が最も大きいスキームです。
成功のためには:
- 営業権評価に離脱率を反映
- アーンアウト条項を正確に設計
- 売手院長の残留期間を設定
- 経営改善は段階的に行う
“患者の心理”を理解した設計が欠かせません。
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