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コラム

COLUMN

歯科医院M&A後の院長交代:スムーズなバトンタッチのために

Ⅰ. はじめに

歯科医院のM&Aでは、「売却=院長交代」であるケースが大半です。しかし、ただ院長が変わるだけでは患者もスタッフも戸惑いが大きく、医院の信頼性や売上に悪影響が出る可能性があります。本稿では、院長交代を円滑に進めるための実務・心理・組織面のポイントを整理します。

Ⅱ. 院長交代で生じる主なリスク

  • 患者の信頼喪失(治療の継続性・説明不足など)
  • スタッフの混乱やモチベーション低下(方針変更、雰囲気の変化)
  • 経営方針の不一致による組織崩壊(短期で院長が変わるリスクも)

Ⅲ. スムーズな交代のための実務ステップ

■ STEP① 事前準備(契約段階で計画化)

  • 旧院長と新院長の**役割分担期間(移行期間)**を明確にする
  • 「いつ辞任するか」「どう紹介するか」「外来には残るか」を取り決める

■ STEP② 引継ぎ資料の整備

  • 患者カルテだけでなく、「スタッフ構成」「診療方針」「自費率」「クレーム履歴」など経営情報を網羅
  • 特に説明スタイル・価格帯・方針の違いが出やすい部分に要注意

■ STEP③ 対外的アナウンス

  • 「ご挨拶状」「ポスター」「HP」で新体制を事前に周知
  • 旧院長による「推薦コメント」や一時的な同席が信頼性を高める

Ⅳ. 心理的なケアと対応

■ スタッフへの説明:

  • なぜ交代するのか(リタイア、新展開など)を明確に伝える
  • 新院長の強みや人柄をしっかり紹介し、「受け入れられる空気」をつくる

■ 患者への説明:

  • 治療の継続性に不安が出ないよう、「方針は引き継ぐ」ことを伝える
  • 初診対応や初回の会話で丁寧に信頼を築くことが重要

Ⅴ. ケーススタディ

■ ケースA:半年間の「W院長制」導入

旧院長が週2回診療を継続し、患者の信頼を新院長に自然に移行。
→ 自費治療率も維持しつつ、売上ダウンを防止。

■ ケースB:交代即引退で混乱

旧院長が突然引退し、新院長が方針を変更。
→ スタッフ2名退職、患者数15%減。

Ⅵ. まとめ

  • 歯科医院のM&Aでは、「引継ぎ」ではなく「信頼のリレー」が重要
  • 院長の人柄や診療スタイルも“医院のブランド”として承継対象
  • 移行期間・説明資料・周知広報・現場ケアを組み合わせた設計が成功のカギ

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