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コラム

COLUMN

歯科医院M&Aにおけるスタッフ雇用契約の注意点

Ⅰ. はじめに

歯科医院のM&Aでは、医療機器や不動産だけでなく、「スタッフの雇用関係」も重要な引継ぎ対象です。特に、既存の歯科衛生士・助手・受付・技工士との関係を適切に移行しなければ、診療体制が崩壊するリスクもあります。今回は、M&Aにおける雇用契約の基本と注意点を解説します。

Ⅱ. スタッフは「資産」であり「リスク」にもなりうる

■ スタッフはのれんの一部

  • 熟練のスタッフは医院の「顔」であり、患者との信頼関係を維持する重要要素
  • M&A後も継続勤務することで、医院の安定経営につながる

■ 退職リスクと対応の重要性

  • M&Aをきっかけに離職するケースも多い
  • 退職金・雇用条件の変更が不安要素になるため、事前の説明と信頼醸成がカギ

Ⅲ. M&Aにおける雇用契約の引継ぎ実務

■ 基本は「労働契約の承継」

  • 事業譲渡の場合 → 個別に雇用契約を再締結(合意が必要)
  • 会社分割・吸収合併 → 労働契約承継法により自動承継されるが、通知義務あり

■ 就業規則や待遇の見直し

  • 社会保険の条件、昇給制度、勤務時間などのルールが変更されることもある
  • 大きく待遇が下がると、労使トラブルや訴訟に発展する可能性も

Ⅳ. スタッフへの説明・配慮ポイント

  1. 「買収された」のではなく「継承される」感覚を持たせる
  2. 新体制のメリット(給与制度・福利厚生・キャリア支援)を丁寧に説明
  3. 退職金・引継ぎ金制度がある場合はその取扱いを明確化
  4. 個別面談・説明会の実施で不安払拭を図る

Ⅴ. ケーススタディ

■ ケースA:スタッフ全員継続勤務

事業譲渡後に事前説明会を2回開催し、不安を解消。院長が丁寧に引継ぎメッセージを伝え、離職ゼロを実現。

■ ケースB:スタッフ5名中2名が退職

待遇変更と事前説明不足により、幹部スタッフが退職。新規採用と教育に半年かかり、収益が一時減少。

Ⅵ. まとめ

  • スタッフの雇用は、医院M&Aにおける成功の最重要ファクターの一つ
  • 「手続き」だけでなく「心の引継ぎ」が欠かせない
  • 専門家のサポートを受け、労務・法務・感情面の三位一体で進めることが大切です

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